概要
日時:2022年5月下旬
南アルプス深南部の寸又峡温泉から高塚山まで1泊2日で縦走してきました。
南アルプス深南部の中でもさらに奥の方まで行ったので、山深い雰囲気を堪能することができました。
登山レベル 高
今回のルートは非常に長い上に、道が分かりづらい部分が結構ありました。
特に板取山から先は体力やルートファインディングに自信がなければ行かない方が無難です。
比較的難易度の低い寸又峡温泉から天水までの往復でも十分に楽しめると思います。
(参考)
寸又峡温泉から沢口山周回(日帰り)
寸又峡温泉から沢口山を通って板取山まで(日帰り)
アクセス
登山の起点は寸又峡温泉の駐車場
新東名自動車道「島田金谷IC」もしくは「静岡スマートIC」より約1時間10分です。
公共交通機関の場合、大井川鐵道「千頭駅」よりバスでアクセスすることも可能です。電車やバスの時刻表は大井川鐵道のHPをご覧ください。
※2022年6月時点では山犬段までの林道が通行止めになっていてアクセスできません。
最新情報は川根本町のHPでご確認ください。
ルート
1日目
寸又峡温泉〜沢口山〜天水〜板取山〜八丁段〜山犬段
コースタイム 7時間25分
2日目
山犬段〜蕎麦粒山〜高塚山〜蕎麦粒山〜山犬段〜板取山〜天水〜沢口山〜寸又峡温泉
コースタイム 11時間35分(空身5時間35分+6時間)
寸又峡〜沢口山〜天水〜板取山〜八丁段〜山犬段縦走登山記録
登るまで
南アルプス深南部は人が少なくて静かな山歩きを楽しむことができて好きな山域の一つです。
その中でも最深部の高塚山に行きたいと思っていたのですが、山犬段までアクセスができないため行くのが非常に困難です。
今回はテント泊のための修行も兼ねて1泊2日で高塚山まで縦走することにしました。
寸又峡温泉に着いたのがAM6時過ぎ。
車道を10分ぐらい歩くとカモシカのオブジェと看板があります。
カモシカのオブジェのところを曲がって少し進むと沢口山の登山口にたどり着きます。
登山開始
はじめはそこそこ急な登りです。
日帰り装備で登った時はスイスイと登ることができましたが、やはり荷物が重くなると足取りはゆっくりになりますね。
登山口から30分ぐらい登ると尾根筋に出ます。
ここから先は少し緩やかな道になります。ありがたい。
ヤマイワカガミ群生地。ヤマイワカガミはまだ咲いていませんでした。6月頃になったら見られるのかしら。
ちなみにここまで約1時間。コースタイムより若干巻いてる感じです。
まだまだ樹林に覆われていますが、1097mの展望所付近ではチラホラと景色が見える場所もあります。
木馬の段。木馬と書いてキンマと読みます。
アカヤシオツツジ群生地。こちらもまだ花は見られませんでした(あとでたくさん見られるのでご安心を)。
再度急坂を登って富士見平に到着。
猿並平コースの方に少し下ると展望所があり、長島ダムと富士山を見ることができます。
ミズナラの大木。木が枯れていて危険なので近くに立ち寄ることができません。以前は近くまで行けただけに少し残念です。
沢口山直前の登りは結構登りごたえがあります。
登山口から2時間20分ぐらいで沢口山に到着!ここまでCT3時間ぐらいなのでそこそこ巻くことができましたが、テント泊装備で一気に約900m登るのは結構疲れます...。
沢口山の山頂で少し休憩。朝日岳と大無間山がよく見えます。
沢口山からの景色は何度見ても素晴らしい!好きな山のひとつです。
奥の方には聖岳や光岳も見えるんですが、この日は雲がかかっていてよく見えませんでした。
山頂から少し下ったところからは富士山も見えるんですが、富士山も雲に覆われてしまいました...
沢口山で少し休憩したのち、山犬段方面に向かいます。ここから240分...長い...!!
沢口山から先も道はよく整備されており、迷いそうな箇所や危険箇所はありません。
この日はかなり気温が高かったですが、風が強かったのでそこまで暑さは感じませんでした。
12月に登った時にはかなり風が強くて寒かった印象があります。この辺りは風が強い場所なんでしょうかね。
うつなし峠。ここから先は急な登りが続きます。
天水に到着、展望は最高です!
前黒法師岳(中央)と黒法師岳(左)がよく見えます。黒法師岳がそう呼ばれるのがよく分かりますね。
朝日岳、大無間山、奥には聖岳などがよく見えます。雲ひとつない最高の天気になって良かった!
さらに東側には安部奥の山々と富士山も見えます!
天水までは頑張れば日帰りで登山可能です。沢口山だけでは飽き足らない人はぜひ天水まで行ってみてくださいな。
天水から板取山までの道はお花がたくさん見られます。こちらはシロヤシオ。
こちらはアカヤシオ。
アカヤシオの見頃は5月の上旬。やや終わりかけでしたが、たくさん見ることができました。
木の合間から八丁段方面が見えてきました。本日はあそこを超えてさらに奥まで進みます。
板取山の山頂に到着!樹林に覆われていますが、北側は開けていて眺望が良好です。
朝日岳、大無間山がよく見えます。この2つの山は今回のルートの至る所から見られますが、カッコよくて非常によく目立ちます。
奥の方には茶臼岳、聖岳、上河内岳まで見えます!
前黒法師岳や黒法師岳が見たければ天水、聖岳などが見たければ板取山といったようにそれぞれの山に良さがあります。
板取山でも少し休憩したのち、さらに先に進んでいきます。
板取山から先は道がやや荒れてきて、分かりづらい箇所もあるのでご注意を。
謎の円錐形のネットがたくさんありました。何か調査でもしてるのかな?
広河原峠。板取山から150mぐらい下らされます。
そしてこれから八丁段まで再度200m弱登らされます。苦行かな?
徐々に陽が差し込んで来て明るくなってきます。
どこが道なのかよく分からん!迷わないように注意しながら進みます。
しばらく歩いていくと左手が開けてきます!
八丁段のホーキ薙という崩壊地が圧巻!
谷側には大井川や人里が見えます。山の中にポツンと人里がある感じがたまらない。
八丁段のホーキ薙は治山工事中でした。こんな山奥までご苦労様です。
ここから林道でショートカットすることもできますが、せっかくなので八丁段まで登ります。
急な上に道も荒れているので歩きづらいです。
八丁段には展望はありません。少し進んだ先に展望台があります。
案内標はあるものの、道が分かりづらい。
どこが道なのかよく分かりませんが、標識の差す方向に進みます。
ここが八丁段展望地。南側が開けています。
大札山方面がよく見えます!大札山まで縦走する方もいるみたいです。
大井川と安部奥の山々がよく見えます!
東側まで見てみましたが富士山はギリギリ見えなさそうでした...
八丁段から下山して林道を歩きます。
立派な建物があると思ったら静岡大学の宿泊施設でした。この辺り一帯は静岡大学の土地でフィールド調査をしているようです。
林道を歩くこと15分、山犬段に到着!
ここまで休憩含めて登山口から7時間ぐらいかかりました。思ったより時間もかからず、適度な疲労感です。
山犬段で休憩・ツェルト泊
山犬段は開放的で気持ちのいい広場になっています。
また、山犬段休憩舎という無人の小屋やトイレもあり、1泊するのに適した場所です。
中は結構きれいで20人ぐらいは泊まれそうな広さがあります。こんな僻地に20人も来ることはないでしょうから広々と快適に過ごすことができるのは間違い無い(この日の利用者は3人でした)。
少し歩くと北側の千石平、黒法師岳あたりの展望が楽しめます。
南の方には大札山が見えました。
小屋に泊まれば良いものですが、練習のためにツェルト泊したかった。山の上でツェルト泊をするのは初めてで、比較的安全な場所でどんな感じか確かめておきたかったのです。
ちょうど良い木があり、ポールを使わずロープのみで張ることができました。
本日の夕食は炊き込みごはん。山犬段は標高1404mとさほど高くないので比較的米も炊きやすいです。
上手に炊けました!塩分があることで沸点が上昇して、気圧の低い山の上では白米よりも炊きやすいのも炊き込みごはんの良いポイントです。適度に油もあって鍋にこびり付かないのも良いですね。
米はふっくらと炊け、適度な塩味があってお箸が進みます。2合炊いて1.5合分ぐらい食べてしまいました。
ご飯を食べていたら次第に暗くなってきました。おやすみなさい。
夜は風が強くて結構寒かったです。本当はGWに計画していましたが、5月下旬でちょうどよかったかもしれないと思いながら眠りにつきました。
2日目に続く
2日目はアタックザックに最低限の荷物を入れて高塚山まで往復し、寸又峡温泉に下山する予定です。
詳細は以下の記事をご覧ください。
それではまたっ!
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