概要
日時:2020年11月
静岡県の前黒法師岳に登ってきました!
前黒法師岳は沢口山、朝日岳とともに「寸又三山」の一角をなす山で、寸又三山の中でも最も行程が長くハードだと言われています。
登山レベル 中
行程が長く、急な登りもあって体力的には辛いものがありますが、道はよく整備されていて危険な箇所もほとんどありませんでした。
アクセス
登山の起点は寸又峡温泉
車の場合、新東名静岡スマートI Cもしくは島田金谷ICより約1時間です。
※ただしGWや紅葉シーズンなどは交互通行の交通規制が行われるため時間がかかる場合があります。
公共交通機関でもアクセス可能ですが、その場合は始発の時間など制限が多いため日帰りではなく寸又峡温泉に泊まって1泊2日で2日目の早朝から登山するのがいいと思います。
電車やバスの時刻表は大井川鐵道のHPをご覧ください。
JR金谷駅ー(大井川鐵道)ー千頭駅ー(バス)ー寸又峡温泉
行程
寸又峡温泉〜登山口〜栗ノ木段〜白ガレの頭〜前黒法師岳〜白ガレの頭〜栗ノ木段〜登山口〜寸又峡温泉
コースタイム 8時間50分
前黒法師岳登山記録
登るまで
おはようございます!この日は7時30分ぐらいに寸又峡温泉に到着しました。
寸又峡温泉に来るのもこれで今年3回目です。
前黒法師岳は沢口山、朝日岳とともに「寸又三山」として知られています。
それぞれの山の勝手なイメージとしては
沢口山・・・手軽に登れて眺望も良い。
朝日岳・・・急な登りでキツい割に眺望がほとんどない。
前黒法師岳・・・朝日岳よりも辛い。眺望もあまりよくない。
こんな感じで「どの山に登るのがいいか?」と聞かれれば迷わず沢口山だと断言できます。
ただ「寸又三山を全て登ってみたい」という好奇心だけで前黒法師岳にも挑戦することにしました。
沢口山と朝日岳についてはすでに登ったことがあるので興味がある方は以下の記事をご覧ください。
前黒法師岳の登山口までは温泉街から「夢の吊り橋」方面に続く道を進んでいきます。
途中トンネルを通ります。
そのまま飛龍橋まで続く道と夢の吊り橋に向かう道の分岐です。
せっかくなのでちょっと遠回りにはなりますが夢の吊り橋を渡ってみます。(右側に進みます。)
11月末ということもあって紅葉も終わりかけです。紅葉が終わっていても良い景色ですが紅葉していたら一層景色が素晴らしく、紅葉シーズンにはたくさんの観光客が訪れる場所となっています。
近くで見ると圧巻です。
吊り橋からは下が丸見えなのと手すりがないので結構スリリングです。
慎重に渡り切りました。割と本気で怖いので人があんまりいなくて落ち着いて渡ることができる早朝に来てよかったと思います。
吊り橋を渡るとひたすら階段が続き、かなり登らされます。
登っていくと吊り橋がよく見えます。
登り切ると林道に出ます。左手の飛龍橋方面に進みます。
本来は飛龍橋を渡らずに登山口に進むのですが、飛龍橋を渡ったところからは夢の吊り橋がよく見えるということなので飛龍橋を渡って眺望を楽しみました。
再度飛龍橋を渡って左手の前黒法師岳方面に進みます。
前黒法師岳方面の林道はかなり荒れています。
飛龍橋の分岐から林道を5分ぐらい歩くと登山口に到着です。
登山開始
登山口からすぐの道は結構荒れているのでびっくりしましたが、登っていくと徐々に道が良くなってきます。
ただし、いきなり急登が続きます。なんてったって標高差1400mを登りきらないといけないわけですから急登になるのも仕方がないです。
登山口から20分程度登ると湯山集落跡に到着しました。
急斜面の中にかまどや石積みなど生活の跡が見られます。かつてはこの集落の奥に湯山温泉というものがあって旅館もあったそうです。
この日は天気も良くて遠くまで見渡せそうです。
ちなみに登っている時はあまり眺望が期待できない山だと思っていました。
急な道を登り切ると...
一旦林道に出ます。
林道の傍からは朝日岳がよく見えます。朝日岳は急登の連続で登るのがキツかった記憶がありますが、ここから見るだけで急な山だということが見てとれます。
林道から再度登山道に入ります。急斜面にロープが垂らされているのでここを登らないといけないのかと思いましたが、林道を左手に少し進むと普通の道がありました。
ここからの道はしばらく朝日岳方面の眺望があります。
南側の沢口山方面。木が邪魔ではっきりとは見えません。
朝日岳はかっこいいフォルムをしています。麓の千頭駅などからも朝日岳はよく見えていますし、朝日岳は見て楽しむ山ですね。
朝日岳がよく見えた林道から30分程度登ると栗の木の段に到着します。
この辺りまでくると眺望は無くなります。登りは相変わらず急ですが、歩きやすく明るい樹林帯になります。
標高は1200mを超えてかなり高いところまで来た感じはあるものの、樹林が広がっているため眺望はチラチラとしか見えません。
程なくしてイワカガミ群生地に到着しました。
沢口山にもイワカガミが群生している場所がありました。5〜6月頃の花期に来てみたら非常にきれいなのかもしれませんね。
イワカガミ群生地の近くからは少し眺望がいい場所があります。
デカデカとそびえる朝日岳の右奥には富士山も見ることができました!
さらに進んでいくと白ガレの頭に到着しました!
ここからは南側が開けていて沢口山方面の眺望がいいですが、ちょうど太陽の方向と同じで眩しくてあまりよく見えませんでした。帰りにまた確認しましょう。
さらに進んでいくと展望所に到着です。一体どんな展望が待っているのでしょうか。
期待しつつ岩の上に登っていきます。
雪を被った南アルプス南部の山々を一望できます!
中央の奥に見える大きな山が光岳、右奥に見える連なった大きな山々が聖岳、上河内岳あたりでしょうか。
こんなにはっきりと南アルプスの眺望が得られるとは思っていなかったです。
展望所から先は徐々に雪が積もってきます。
まだうっすらと積もっているという程度だったのでアイゼンなどは必要ありませんでした。
ということで前黒法師岳の山頂に到着!
寸又峡温泉の駐車場から歩くこと4時間、なかなかに長い道のりでした。
山頂看板は2つありました。こちら側の看板にはしっかり「寸又三山」と書かれています。
山頂の雰囲気はこんな感じです。あまり広いというわけではありませんが、そもそも登ってくる人もあまりいないことを考えたら十分に広いと思います。
残念ながら山頂は樹林に覆われていて眺望はほとんどありません。
南側の斜面の一部のみ樹林が切れているところがあり、沢口山や太平洋方面まで見えます。
山頂は風も強くてじっとしていると寒くなってきたので下山することにしました。
下山時にも展望所から南アルプスを拝みます。
南アルプス南部の核心部はずっと行きたいと思っているんですが、アクセスが悪くていまだに行ったことがないんですよね。
白ガレの頭付近からの南側の眺望です。左手前に見える山が沢口山、そこから右側に天水、山犬段方面へと続く稜線が見えます。
イワカガミ群生地付近からは朝日岳方面がよく見えますが、朝日岳の左奥には大無間山も見えました。
さらにどんどん標高を下げていきます。傾斜が急で道は悪くないのでかなりスピードを上げて下山することができます。ただし、足への負担もかなりのものなので途中から足がプルプルしてきました...
湯山林道付近で朝日岳も見納めです。
寸又三山、いい山々でした。興味があればぜひ登ってみてください。
ということで無事下山できました。林道を歩いて寸又峡温泉まで戻ります。
飛龍橋から見る前黒法師岳方面。前黒法師岳は残念ながら奥に隠れていて全貌を見ることはできません。
右手に見えるのが朝日岳。朝日岳はどこからでも良く見える山です。
登山後記
前黒法師岳は登る前までは辛いだけで眺望がほとんどない残念な山だと思っていましたが、実際に登ってみると、思ったより体力的に辛くはなく、思ったよりも眺望がよかったです。
体力的な問題に関しては今年は唐松岳〜五竜岳縦走、空木岳、笠ヶ岳など10時間を超えるような登山をしたことで体力がついたのかなと思います。
前黒法師岳の山頂付近は雪が積もっていたのとかなり寒かったこともあり、今シーズンの登山はこれが最後になるでしょう。今後しばらくは標高の低い軽めの山に行くぐらいでしょうかね。
これからの時期、冬山に行く方はお気をつけください!
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