概要
日時:2022年6月
南アルプスの北岳に登ってきました。北岳は富士山に次いで日本で2番目に標高が高い山として有名ですが、それだけでなく高山植物が豊富な山としても知られています。
そんな中でも北岳固有の植物で絶滅危惧種のキタダケソウを見ることを目的として6月下旬に北岳に登りました。
登山レベル 中
人気のある山なだけあって、道はよく整備されていて歩きやすかったです。
ただし、標高差もあり、山頂付近では高度もあるため体力が必要なのは言うまでもありません。
アクセス
登山の起点は広河原
芦安駐車場からバスに乗ってアクセスしました。
奈良田からバスでアクセスすることもできるのですが、夏季以外ではバスの始発が遅かったため芦安駐車場から始発のバスに乗ることとしました。
公共交通機関のみの場合、JR甲府駅からバスでアクセスすることも可能です。
時刻表などの詳細は山梨交通のHPをご覧ください、
ルート
本当は北岳から間ノ岳、農鳥岳の白根三山を縦走しようと思っていたのですが、天候が悪かったため広河原から北岳のピストンに変更しました。
1日目
広河原〜白根御池小屋〜北岳肩ノ小屋〜北岳〜(トラバース道)〜北岳山荘
コースタイム 7時間45分
2日目
北岳山荘〜北岳〜北岳肩ノ小屋〜白根御池小屋〜広河原
コースタイム 5時間40分
北岳登山記録
登るまで
割と百名山は登っていますが、北岳に登るのは初めてなので楽しみにしていました。
せっかく行くなら北岳固有のキタダケソウを見たいので、天気が悪いのを覚悟して6月末に行くことにしました。
芦安駐車場5時15分発のバスに乗車します。この日は平日だったこともあって、そんなに混雑していませんでした。
バスに揺られること1時間弱、南アルプス北部の玄関口の広河原に到着しました。
ここで準備を済ませ、いざ出発!
登山開始
1日目
はじめは川沿いの車道を上流に向かって進みます。
この日は曇り空で眺望はほとんど無さそう。雨だけは降らないでほしい。
北岳方面を指す看板に従って進んでいきます。
吊り橋からは野呂川が轟音を立てて流れる様子を見ることができます。
はじめは歩きやすい緩やかな道を進んでいきます。
大樺沢と白根御池小屋の分岐に到着。2022年6月時点では大樺沢ルートは通行禁止でした。計画中の方はご注意を。
分岐から白根御池小屋までの道は急な登りが続きます。
開けた場所があったので少し休憩。気温はあまり高くないですが湿度が高くて不快な気候です。
さらに登っていくと鳳凰方面が見えてきます。
まだまだ急な登りが続きます。
キツくて息が切れますが、道はよく整備されていて歩きやすいです。
途中、北岳方面が見える場所がありましたが、山頂は厚い雲に覆われています。
徐々に傾斜が緩くなってくると白根御池小屋まであと少しです。
先ほどまでの容赦ない急登と違ってスイスイと進むことができます。
変な植物(コケ?)も生えていました。
登山口から2時間半ぐらいで白根御池小屋に到着しました!
白根御池小屋からは北岳の絶景を楽しむことができます!
お花も見られるようになってきます。
こちらが白根御池。天気のいい日にこの小屋でテント泊したらさぞ気持ちいいことでしょう。
白根御池小屋から先の道ではたくさんのお花を見ることができます。
草スベリは急な登りなのでお花を鑑賞しながらゆっくりと登りました。
天気が良ければ直射日光をモロに受けることになるのでかなり暑くてキツそうな道です。
曇っていることを無理に正当化してなんとか登っていきます。
さらに登っていくと植生保護柵があって、周囲にはさまざまな植物が咲いています。
北岳は高山植物が豊富なことで有名ですが、想像以上にたくさんのお花が見られます。
白根御池小屋から約2時間、草スベリを登り切り右俣コースとの合流地点に到着。
鳳凰はギリギリ雲がかかっていない様子。
一方で北岳の頂上方面には厚い雲がかかっていて、もうすぐ雲の中に突入しそう。
さらに登っていくと視界が悪くなってきました。
雪渓を歩く箇所もありました。
右俣コースと草スベリの合流地点から30分ぐらいで小太郎山分岐に到着しました。
稜線に出ましたが眺望はゼロです。
稜線上は風が吹き荒れていて良いコンディションではありませんが、高山植物の宝庫なので歩いていて楽しいです。
頻繁に立ち止まって写真を撮りながら歩いていました。
写真ではあまりよく伝わりませんが斜面の一面にお花畑が広がっています。
そうこうしているうちに北岳肩の小屋に到着!
ここの標高は3000mなので山頂まであと200mぐらい。
肩の小屋から先は急登が続き、空気も薄いのでかなりしんどいです。
天気が良ければ眺望も良くて気持ちいいんでしょうが、この日はこんな感じで風も強かったので辛かったです。
険しい岩稜地帯にも色とりどりのお花が咲いていて、生命力の強さに感心します。
北岳の山頂に到着!登山口から6時間半ぐらいでした。
お花を鑑賞しながらゆっくり登ってきたので高山病にもならず、体力的にも余裕があります。
北岳山頂からの絶景がこちら。
梅雨なので景色が見られないのは覚悟していましたが、せっかく来たからにはやっぱり景色を楽しみたいものですね。
北岳山頂からは吊尾根分岐まで進み、八本歯コル方面に下ったのちにトラバース道を通って北岳山荘に向かいます。
北岳から先も相変わらず暴風が吹き荒れていますが、トラバース道は高山植物が非常に豊富です。
絶滅危惧種のキタダケソウを発見!可愛らしいお花ですね。
今回の登山の目的はキタダケソウだったので、景色は見れらなくてもこれで大満足。
キタダケソウはチョウノスケソウ、ハクサンイチゲと花の色が似ていて見分けがつきにくいので葉っぱの形で見分けるのが良いです。
そのほかにも様々なお花が咲いていて、まさに高山植物の宝庫です。
北岳の山頂から北岳山荘までは稜線上の道とトラバース道の2通りありますが、トラバース道を選択して正解でした。
狭い岩場のトラバースなどもあるので、お花の写真を撮るのに夢中になって滑落した、なんてことにならないよう注意しましょう。
北岳はかなり高山植物が豊富ですが、シカの食害によって高山植物は以前より減少しているそうです。
雪渓のトラバースもありました。アイゼン等なくても大丈夫でしたが、念の為軽アイゼンは持って行った方がいいでしょう。
小屋に到着しました。山頂からはお花の写真を撮りまくっていたのでかなり時間がかかってしまいました。
山荘にて受付を済ませ、テントを設営します。事前に予約画面のQRコードのスクショをとっておくと受付がスムーズにできます。
風が強すぎてテントを設営するのもひと苦労でした。自炊の際にも火が消えないように竈門を作るなど工夫が必要でした。
暴風の吹き荒れるなか寝ましたが、あまりよく寝られませんでした。
午前3時ごろにテントから水が滴ってきて目が覚め、暴風によってテントが大破しているのに気づきました。
ポールは曲がり、テント本体は破れ、フライシートに至ってはビリビリになって原型を留めていませんでした。
山荘のトイレ兼物置的なところに避難して夜が開けるのを待ちました。
2日目
おはようございます。相変わらず暴風雨で最悪の朝です。
本来は間ノ岳、農鳥岳と縦走しようとしていましたが、天気が悪すぎたため広河原まで引き返すことにしました。
道中は立っていられないほどの強風でしたが、山頂だけはなぜか風が穏やかでゆっくりと休憩することができました。
肩の小屋ではこんな悪天候の中でも工事をしていました。こういう方々のおかげで山小屋に泊まることができると思うと感謝しかないです。
一瞬ですが、少し青空が見えるようになってきました。
肩の小屋から小太郎山分岐までの稜線もガスっていて風が強かったです。
小太郎山分岐まで来るとガスが晴れてきて、富士山も見えるようになってきました。
草スベリをひたすら下っていくと、いつの間にか晴れてきました。
山頂付近は暴風雨で寒かったのに今は半袖1枚でも暑い。寒暖差で身体がおかしくなりそう。
白根御池小屋まで戻ってきました。うん、登山日和ですね!今から登る人が羨ましい。
雰囲気がいい小屋で、こんな天気の日にテント泊したらさぞ気持ちいいでしょうね。
ただ、北岳の山頂方面はまだ雲に覆われているようでした。
白根御池小屋からは無心で下っていきます。途中には鳳凰がよく見える場所があります。
気がついたら北岳山頂方面の雲も取れていました。数時間前まで暴風雨だったのが信じられない。
道中かなり省略しますが、無事下山できて良かったです。
下山した頃には梅雨が明けたような青空が広がっていました。
この日は広河原山荘のオープンの日で催しをやっていました。オープンを祝福してくれているかのような快晴で何よりです。
登山後記
暴風によってテントが大破するという代償がありましたが、無事に下山することができて本当によかったです。
目的のキタダケソウをはじめとした高山植物を見るためには6月末がいい時期なんですが、ちょうど梅雨で天候が不安定なのが難しいところです。
北岳山荘は稜線上で風が強いので小屋泊にするか、白根御池小屋でテント泊するなど、計画の立て方に工夫が必要かもしれませんね。
みなさんは私を反面教師にして安全に登山を楽しんでくださいませ。
それでまたっ!
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