概要
日時:2020年8月
中央アルプスの空木岳に登ってきました。中央アルプスと言えば木曽駒ヶ岳が有名で空木岳は地味なイメージがありましたが、実際登ってみると八ヶ岳や南アルプスの展望が良く、中央アルプス独特の雰囲気も感じられ予想以上に素晴らしい山でした。
登山レベル 高
コースタイムが11時間30分と長く、アップダウンもかなりあります。危険な箇所はほとんどありませんが、体力が必要になります。
アクセス
登山の起点は古城公園あかつきの塔です。
中央高速駒ヶ根ICから20分程度です。
林道終点まで車で行くことができればよかったのですが、私が行った時はゲートがあり手前までしか行くことができず、古城公園あかつきの塔の少し前にあったスペースに駐車しました。
公共交通機関を利用してアクセスすることも可能です。
東京方面などから駒ヶ根駅・菅ノ台バスセンターまでは高速バスがたくさん運行しています。菅ノ台バスセンターからは直接登ることができますし、駒ヶ根駅からはタクシーで20分程度で登山口まで行くことができます。
ルート
あかつきの塔〜林道終点〜池山小屋〜マセナギ〜ヨナ沢の頭〜分岐〜駒石〜空木岳〜空木平避難小屋〜分岐〜ヨナ沢の頭〜マセナギ〜池山小屋〜林道終点〜あかつきの塔
コースタイム 林道終点からの往復で11時間30分、あかつきの塔からの往復では13時間ぐらい
空木岳登山記録
登るまで
金曜の夜に自宅を出て、高速に乗って空木岳を目指します。
空木岳は高速道路のICから近いのでアクセスしやすくていいですね。
登山口の駐車場に着いたのは午前0時30分ごろでした。
林道終点ってところまで車で行くことができれば楽だったんですが、途中にゲートがあって通行できないようになっていたため、ゲートより少し手前のスペースに駐車して車中泊することにしました。
登山開始
おはようございます!2時半に起床して3時ごろに出発しました。まだまだ外は暗いです。
はじめは林道をひたすら歩いていきます。これが結構急な道で寝起きの体には辛いです。
林道終点までは1時間ぐらいかかりました。林道終点までの道が結構キツかったです。
まだ標高が1000m程度なので夜明け前でも歩いているとじっとりと汗をかいてくるような感じでした。これを日の出後に歩いていたら暑すぎて倒れてしまいそうです。
林道終点からさらに1時間程度進んでいくと池山小屋に到着しました。池山小屋に着いた頃に夜明けを迎え、だんだん明るくなってきました。
池山小屋からは分岐がありますが、最終的には合流するのでどちらの道を進んでもOKです。
歩きやすそうな道を選んで進みました。もう一方の道がどんな感じだったのかは分かりませんが、こちらの道を選んで正解だったと思います。
池山小屋から少し進んでいったところで朝日が見えました。
雲海の先に南アルプスが見えました。天気が良さそうで期待が持てます!
木の間からは空木岳から木曽駒ヶ岳へと連なる稜線方面がチラチラと見えます。天気もよくて景色が良いんだろうな〜ということが想像できます。
マセナギを過ぎたあたりで木曽駒ヶ岳〜空木岳の稜線方面がよく見えるようになって来ました!右側の奥に見えるのが木曽駒ヶ岳ですかね。
木曽駒ヶ岳〜空木岳を縦走したいと思っていたこともありましたが、結構距離もありますしアップダウンもありそうでキツそうですね。
さらに後ろの方を振り返ると雲海の先に南アルプス方面がよく見えます!
空木岳は高山植物も豊富です。空木岳に高山植物のイメージはあまりなかったので意外でした。
トリカブト。きれいな花ですが毒があります。
さらに進んでいくと左手に空木岳の南側にある山々が見えてきます。手前に見えるのが200名山の南駒ヶ岳、奥に見えるのが300名山の越百山(こすもやま)です。
南駒ヶ岳も越百山も知名度は低い山ですが、意外にも良さそうな山です。アクセスが悪く行程が少々キツそうですが登ってみる価値がある山だと思います。
ヨナ沢の頭を過ぎて標高も2300m程度まで来ましたが、まだまだ樹林帯の登りは続きます。
木曽駒ヶ岳〜空木岳方面です。まだ7時すぎですが、少し雲が出てきました。
南アルプス方面です。こちらも雲が出てきました。
雲が出てくるまでになんとしても山頂に登らなければ...!先を急ぎましょう!
7時40分、空木平分岐に到着しました。
空木平分岐からは空木岳らしきピークが見えます!幸いにも空木岳方面はまだ晴れています。
空木平分岐からは右手の駒石経由尾根コースを進みます。
天気も良くて最高の景色!尾根コースを選択して正解でした!
八ヶ岳方面。ここまではっきりと見えるのは少々意外でした。
こちらは南アルプス方面。雲がかかってきてしまっていますが、南アルプスが一望できます。
空木岳、最高じゃないですか。地味な山だと思っていてすみません!
さらに進んでいくと大きい岩が出てきました。あれが駒石でしょうかね。
ここまで来ると木曽駒ヶ岳〜空木岳の稜線も一望できるようになります。
この稜線はアップダウンがかなり激しいことが見て取れます。まさに上級者向けといった感じですね。
駒石が近くなってきました。近づいていくとさらに存在感を増していきます。
駒石に到着!
圧倒的存在感!
駒石の上に登ろうとしている人もいましたが、私は高所恐怖症なので無理です...
景色が最高です。あともう少しで山頂なのでもうひと踏ん張りしましょう!
正面に見えるのが空木岳です。もう少しなように見えますが、まだ100mぐらい登らなければいけません。標高も高くなってきて空気が薄くなって生きているためすぐに息が上がってしまいます。
雲が迫ってきているため早く山頂に登りたいのですが、息が上がってなかなか登ることができなくてもどかしいです。
山頂が近くなってきました。ひとまず小屋まで行って休憩するんだ...!
駒峰ヒュッテに到着!
ここまで来ると山頂まではあとわずかです。少し休憩したのち、山頂まで一気に登ります。
空木岳山頂に到着!現在9時ごろなので3時から登り始めて6時間で到着ということになります。長かった...
空木岳は日本百名山ですが地味なこと、行程が長いことなどもあって登山客はかなり少なかったです。私が山頂に着いた時には貸切状態でした。北アルプスなんかと比べると考えられないですね。
せっかくなので山頂でゆっくりさせてもらいます。
西側の景色です。目立った山はありませんが、非常に山深い様子が分かって良い風景です。
こちらは南駒ヶ岳方面。岩の感じが非常にかっこいい。いつか行ってみたいと思わされるような山です。
八ヶ岳、南アルプス方面は逆光&雲によってほとんど見えなくなってしまいました。残念ですが、早い時間に十分みることができたのでまあ良いでしょう。
山頂で雲が晴れるのを待ちながら1時間ぐらいお昼寝をしていましたが、さほど変わらなかったので諦めて下山することとしました。
帰りは駒峰ヒュッテから避難小屋経由で空木平へと下山しました。
川が流れた跡のようなゴロゴロとした岩がたくさんある道を下っていきます。
空木岳方面も見えなくはないですが、登りに尾根ルートを使って正解だったように思います。
お花とちょうちょ。
道はこんな感じで整備されているんですが若干分かりづらい部分もあるので注意が必要です。
まあ多少間違ったとしても避難小屋を目印にして進んでいけばいいので迷うことはないでしょうが。
避難小屋に到着!避難小屋という割に立派な小屋でした。
ここから空木平分岐までも道は展望もなく、あまりいい道ではありませんでした。
総じて避難小屋経由ではなくて駒石経由の道の方がおすすめです。
空木平分岐からは登ってきた時と同じ道を下ります。
ヨナ沢の頭〜マセナギの間は少々スリルのある鎖場があります。登りの時はあまり気になりませんでしたが下りの鎖場はちょっと怖いですね。
あとはひたすら無心で下るのみです!歩き始めて10時間程度経ってきたので流石に足が痛くなってきました。
池山小屋まで下りてくることができました。池山小屋には水場があります。
池山小屋で休憩していたおじいさんに「水美味しいからぜひ飲んでいって!」みたいな感じで勧められたので飲んでみましたが普通の水でした。たぶん登山補正ってやつです。
やっとのことで林道終点に到着!ここまで長かったです。
しかし、ここから車を停めてある駒ヶ根高原までさらに1時間歩かないといけません...
アルプスとかではよくあるやつですけど「無事下山!!」と思った後に長い林道歩きがあるのは勘弁して欲しいですね。
途中滝のようなのがありました。
今朝真っ暗な中歩いていたので「こんな道だったのか〜」と新鮮に思えます。
こんなところに発電所がありました。
憎きゲート。このゲートさえなければもっと先まで車で行くことができて楽だったのに...
これが古城公園あかつきの塔。展望台みたいになっています。
ここからの眺めは最高でした!
この展望台から少し下った所に駐車できるスペースがあり、そこに到着することで今回の登山は無事終了しました!
登山後記
空木岳は正直辛いだけの地味な山だと侮っていました。すみません!
行程は長くて体力は必要ですが空木平分岐から先は素晴らしい展望が広がっています。また、登る前の私みたいなイメージを持っている方も少なくないのか、登山客もあまりおらず快適な登山でした。
それなりに体力が必要ですが、ぜひ空木岳に登ってみてください!
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