概要
日時:2015年8月
北アルプスの秘境、雲の平に行ってきました。雲ノ平は北アルプスの中でもかなり奥まったところにあるためどうしても行程が長くなってしまいます。しかし、景色や雰囲気などどれをとっても今までで最高の登山だったと思っています。
登山レベル高
かなり長い行程となります。私たちはテント泊で行きましたが、体力に余裕がない方は無理せず小屋泊で行きましょう。
ちなみに、1泊2日で折立から薬師岳まで往復する程度だったらそんなに難易度は高くないので初心者でも挑戦可能だと思います。
アクセス
登山の起点は折立です。
折立まで行くだけでも時間がかかってしまうので1日かけて移動して、折立でテント泊しました。有峰口から折立までは富山地鉄バスで行きます。時刻表はこちら。
東京ー(北陸新幹線)ー富山駅ー(富山地鉄)ー有峰口ー(富山地鉄バス)ー折立
富山に前泊して始発で行けば当日のうちに太郎平小屋まで行くこともできそうです。
ルート
全日程の行程と記事リンクです。
本記事では1日目と2日目の記録を記載します。
1日目
移動のみ
富山駅ー有峰口ー折立
2日目
折立〜太郎平小屋〜薬師岳〜薬師峠キャンプ場
コースタイム 10時間
3日目
薬師峠キャンプ場〜太郎平小屋〜薬師沢小屋〜雲の平山荘〜雲ノ平キャンプ場
コースタイム 6時間20分
4日目
雲の平キャンプ場〜祖父岳〜水晶岳〜鷲羽岳〜三俣蓮華岳〜双六小屋
コースタイム 9時間30分
5日目
双六小屋〜鏡平山荘〜わさび平小屋〜新穂高温泉
コースタイム 5時間50分
雲ノ平1日目〜2日目登山記録
登るまで
雲ノ平は「日本最後の秘境」とも呼ばれる山域で、ずっと行きたいと思っていました。しかし、アクセスが非常に悪く、基本的にエスケープもできないので長期間天候が良いタイミングを選ばなければなりません。
絶対に行きたかったため、天候が優れない場合に日程をずらせるよう予備日を2日設けていました。しかし、そんな心配も杞憂でした。幸運にも計画していたタイミングで天候が良さそうなので計画通り出発!ワクワク。
まずは東京から北陸新幹線に乗って富山に向かいます。出発は8時ごろでした。
北陸新幹線が開通して初めて乗車しました。かっこいいフォルムです。
北陸新幹線に乗ると東京から富山まで2時間20分程度で行くことができます。今では北陸新幹線があるのが当たり前になりましたが、開通前は最速でも3時間20分程度かかったことを考えるとかなり便利になりました。
富山駅からは富山地鉄に乗り換えて有峰口まで向かいます。
富山地鉄は次第に山に向かって進み、車窓からの景色も素晴らしいです。
有峰口からはバスに乗車して折立に向かいました。バスの乗車時間は1時間程度で道もカーブが多いので酔いやすい方には辛いかもしれません。
そして、折立に着いたのが13時30分。微妙な時間ですが、今から全力で登っても小屋に到着するのが18時ぐらいになってしまうので無理しない方が良いですね。
折立キャンプ場はかなり広く芝生で覆われている場所も多く、環境のよいキャンプ場です。標高は1350mとさほど高くなく、風も強くないのでゆっくりできました。
明日からは過酷な行程になるので最後に豪勢な食事を楽しみ、体を休めておきましょう。
登山開始
2日目。なんと3時起床、3時10分出発です。とても早い出発ですが、行程が長いのと、長い登りを比較的涼しい日の出前に登りたいという理由がありました。
辺りは真っ暗で野生の動物がいそうな雰囲気があったので、日の出前に一人で登るのは私には怖くて無理です。仲間に感謝。
真っ暗な中、急登を2時間ぐらい無心で登ると明るくなってきました。
綺麗な朝焼けです。天気が良さそうで期待が持てます。無心で登っていたので、気がついたら結構登った感じがしました。この時点で標高は約1800mです。
雲海です!初日の最初にこんなに美しい雲海を見られるなんて思っていませんでした。幸先の良いスタートです。
月と雲海。この雲海の下には有峰湖がありそうです。
さらに登っていき、6時をすぎると辺りは明るくなってきます。
ようやく周囲が見えるようになってきました。暑くなってきましたが、景色が見えるようになってきたので元気が出ます。
7時ごろ。快晴です。高山らしい雰囲気になってきてテンション上がります。
振り返ると有峰湖が見えます。思ってた以上にデカくてびっくりします。霞んでいてよく見えませんが、奥には富山平野が見えるようです。
さらに進んでいき、8時ごろに五光岩ベンチに到着します。
五光岩付近の風景。きれいな草原になっています。
この辺りはニッコウキスゲも咲いています。奥に見えるデカい山が薬師岳ですかね。まだまだ距離があります。
五光岩で景色を満喫しつつ休憩したら再度進んでいきます。
五光岩から先は歩きやすい石畳や木道が続き、アップダウンも緩やかになります。薬師岳、立山、剱岳も見え、景色も素晴らしい!
太郎平小屋まで距離がありますが、楽しんで歩けるので疲労感はあまりありませんでした。
そして、9時過ぎに薬師峠キャンプ場に到着してテントを設営しました。
テントを設営した後は空身になって薬師岳を目指します。テントを置くと身軽すぎてどこまででも歩けそうです!
はじめは樹林帯の急坂を登りますが、荷物が軽いのでかなり楽に感じられます。
薬師岳山荘を過ぎると樹林帯を抜け、最高の景色が広がります。
雪渓もあり、北アルプスに来たって感じがします。
明日向かう予定の雲ノ平方面が見えます。あれが「日本最後の秘境」か...とテンションが上がってきます。
右手奥には黒部五郎岳も見えます。なだらかで雪が豊富な非常に美しい山容です。これまであまり知りませんでしたが、黒部五郎岳も俄然行きたくなってきました。山に登るたびに登りたい山が増えて困ります。
槍ヶ岳が見えてきました!結構距離があるはずなのにはっきりと槍ヶ岳だとわかります。さすが北アルプスの盟主。
薬師岳へと続く気持ちいい稜線。この稜線を歩けるだけで幸せです。
有峰湖が再度見えてきます。早朝に登ってきた五光岩辺りの道も見えます。
山頂が見えてきました。ここを登り切ると...
薬師岳に登頂!
周囲の景色を見渡しましょう。
こちらは北方面。薬師岳の稜線と右手奥には立山、剱岳が見えます。
立山、剱岳方面の拡大です。結構距離はありますが、非常に存在感があります。
東側の稜線。読売新道から赤牛岳がよく見えます。赤牛岳は行くのが非常に困難ですが、薬師岳の眺望がかなり良さそうです。
南方面。黒部五郎岳と槍ヶ岳が見えます。遠くてもはっきりと見える槍ヶ岳の存在感がお分かりでしょうか。
何度来ても北アルプスは良いものですね。人気なのも納得です。
薬師岳から薬師峠キャンプ場までは来た道を引き返します。
キャンプ場に戻ってきたのは15時頃。途中休憩もしていましたが、3時に登り始めて12時間もかかったのでかなり疲れました。
キャンプ場は水は豊富でとても美味しい水でした。薬師峠キャンプ場に限らず、今回の行程では水が豊富で水場に困ることがなく最高でした。
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