概要
日時:2023年7月
中央アルプスの盟主、木曽駒ヶ岳(と将棊頭山)に登ってきました!
木曽駒ヶ岳はロープウェイを利用することで簡単に森林限界を突破できる山ではありますが、麓から登るルートもたくさんあります。
桂小場からのクラシックルートは湖面に映る逆さ宝剣や馬の背からの美しい稜線など見どころ満載でした!
登山レベル 高
危険箇所等はありませんでしたが、累積標高差2000m超で急な登りもあるロングコースですので体力が必要です。
途中には山小屋もいくつかあるので1泊2日での計画でも良いかもしれません。
アクセス
登山の起点は桂小場
中央自動車道「小黒川スマートIC」より15分程度とアクセスは良いです。
残念ながら公共交通機関でのアクセスはちょっと厳しい感じです。
ルート
桂小場~大樽避難小屋~茶臼山分岐~西駒山荘~八合目~濃ヶ池~駒飼ノ池~宝剣山荘~中岳~駒ヶ岳~馬ノ背~八合目~将棊頭山~茶臼山分岐~大樽避難小屋~桂小場
コースタイム 13時間
木曽駒ヶ岳登山記録
登るまで
木曽駒は10年ぐらい前にロープウェイを利用して来たことがあったんですが、その時はガッスガスで全くと言っていいほど景色が見えなかったんですよねえ。
ということで、10年越しの木曽駒リベンジとなります!!
5時ごろに登山口に到着しましたが、ほぼ満車といった感じでした。
登山開始
日が出てきて薄明るい状況から登山スタートです!
登山口から10分ぐらい登ったところにすぐ水場があるので、水を忘れてしまっても大丈夫!
スタート地点の標高は1280mなので、単純標高差で1600m以上登ることになります。
なので予想していた通り、はじめからいきなり急な登りが連続します。
スタートから1時間程度で標高1700m地点まで登ってきました。
桂小場からの登山道は「クラシックルート」とも呼ばれ、古くから登られてきた道であるため味のある看板もありますが、登山道はよく整備されています。
野田場にも水場はありましたが、この水場は涸れることもあるらしいのでご注意を。
こちらは新しい看板。百名山なだけあってご立派な看板です。
こちらは権兵衛峠へと続く分岐。一般登山道ではなく、荒れていそうな雰囲気でした。
謎の石碑。ここは昭和50年の落雷事故現場だそうです。
少し平坦な道となりますが、まだまだ登りは続きます。
木の合間から青空が見えました!この日は天気よさそうで期待が持てます!!
ここが奈良井川の源流らしい。ちなみに奈良井川は長野県を松本まで縦断して梓川と合流するみたいです。
徐々に傾斜が急になってきます。この辺りからの急登のはじまりかな?
道の脇にはゴゼンタチバナ。高原でよく見られるお花ですが可憐で可愛らしい。
登山開始から2時間弱、大樽避難小屋に到着!
かなり疲れたので少し休憩します。
急登は地面に生えている植物を鑑賞しながらゆっくり登るに限ります。
こちらの白い不思議な形をしているのはギンリョウソウ。
種類がよく分からないものありますが、植物を見ながら歩いていると疲れを感じにくい気がします(気がするだけですが)。
胸突八丁。その名の通りかなりの急登で息が上がります。
ちなみに、桂小場から将棊頭山までの登りは『山と渓谷』2012年8月号「急登ランキング」55位に入っているなかなかの強敵です。
↑「急登ランキング」について詳しくはこちらの記事もご覧ください!!
6合目、まだまだ急な登りは続きます。
このルート、全体を通して人はあまり多くないですが、道はよく整備されていて歩きやすかったです。
急な登りの連続で息が上がります。想像よりも5倍ぐらいキツい。
キツい、キツい言いながら登っていましたが、イワカガミを見て心が洗われます。
6合目から登ること約30分、7合目にたどり着きました!
7合目を過ぎると木々の背丈や密度にも変化があり、青空が見えるようになってきます!
7合目から少し登ると胸突ノ頭に到着。ここで急な登りは終了です!
遠くの方に本日の目標、駒ヶ岳らしきピークが見えてテンションが上がります!!
こちらはハクサンチドリ。ハクサンチドリを見ると夏が来たなって感じます。
右手の視界が開けて御嶽山が一望できました!
気がついたら森林限界を突破!!気持ちの良い景色です。
こちらはチングルマ。好きな高山植物のひとつです。
伊那谷方面の展望も素晴らしい!!
まずは将棊頭山を巻く夏道を歩いていきます。
樹林に覆われて展望は良くありませんが、お花はかわいい。
登山開始から3時間半ぐらいで西駒山荘に到着!
めちゃくちゃ綺麗な山小屋でした。人もあまり多くないので快適に宿泊できそう。
西駒山荘からは景色も素晴らしい!早朝には南アルプスから昇る御来光も見られそう。
青空が映えていて、思わず寝転がりたくなる気持ちの良い雰囲気でした。
西駒山荘からの道は正面に駒ヶ岳を拝みながら歩くことができる最高の道です!
さらに脇には数々の高山植物を鑑賞することもできます。
こちらはキバナシャクナゲ。赤いシャクナゲは平地でもよく見られますが、キバナシャクナゲは高山にしか生育しない珍しいものです。
中央アルプスから見る南アルプスは1枚の壁のように聳えていて特徴的。
遭難記念碑まで来ると宝剣岳、中岳、駒ヶ岳が見えるようになってきて圧巻の景色!
右手には御嶽山や、
乗鞍岳、
さらには北アルプスまではっきりと見渡すことができます!
どんどん駒ヶ岳に近づいている感があってテンションが上がります!
ここで分岐を濃ヶ池方面へと進みます。
振り返るとこれまで歩いてきた道が見渡せます。ずいぶん遠くから歩いてきたもんだ。
相変わらず前方の景色は素晴らしく、歩いているだけで気持ちがいい。
鋭く尖った宝剣岳もはっきりと確認できるようになってきました!
こちらが濃ヶ池。
湖面(池面?)に映る「逆さ宝剣岳」が有名だそうです。
チングルマとイワカガミは至る所に咲いていました。初夏はお花が豊富でいい時期ですね。
岩場を歩く場所もありましたが、特に難易度が高いようなところはありません。
駒ヶ岳から南へと続く山脈も長く、こちらを縦走してみるのも楽しそう。
こちらは鮮やかな黄色のシナノキンバイ。
雪渓を渡る箇所もありました。
結構シャリシャリしてましたが、軽アイゼン着用しなくても大丈夫でした。
天気が良すぎて暑いですが、雪渓の近辺は涼しげな風が吹いていて気持ちが良い。
めっちゃ急なハシゴ。標高も高くなって空気が薄くなってきて結構キツい。
日差しが強くてかなり暑い。贅沢な悩みですが天気が良すぎるのもちょっと考えものです。
濃ヶ池から50分ぐらいで駒飼ノ池に到着!
池というより水たまりみたいな感じでしたがロケーションのおかげで景勝地のように見えます。
駒飼ノ池まで来れば宝剣山荘まではあと少し!
駒飼ノ池の周囲もお花が豊富で休憩に最適です。
ここからは稜線に至るまでの最後の登り。
振り返ると景色は最高です!
直射日光&急な登り&空気の薄さのコンボでかなりキツい。
宝剣山荘はあと少し!頑張りましょう!
やっとのことで千畳敷からのルートと合流!
ここまでの道と打って変わって多くの人で賑わっていました!
10年前に木曽駒に来た時には宝剣山荘に宿泊したような気がします(あんま覚えてないけど)。
こちら宝剣岳方面。岩場が多くて見るからに危険そう。
少し休憩したのち、中岳方面へと進んでいきましょう!
少し登ったところから振り返ると、改めてたくさんの人で賑わっていることがよく分かります。
中岳の山頂に到着!標高は2925m、かなり登ってきましたねえ。
中央アルプスから御嶽山までは遮るものが何もないため、全貌を見渡せるのが素晴らしい!
振り返ると伊那前岳と奥には南アルプスの山々がよく見えました!
一旦下って、駒ヶ岳の方に進んでいきましょう!
普通の下り道ですが、道端にはオヤマノエンドウをはじめとした高山植物が豊富で見ていて楽しい。
10分ほど下ると駒ヶ岳頂上山荘に到着!
駒ヶ岳山頂まではあと少し!
登山道の脇の方に人だかりが出来ていたので何事か?と近づいてみたらライチョウに出会えました。
実際は結構距離があったんですが、デジカメのズーム機能を駆使して撮影。
スマホのカメラでも十分と思うことも多いですが、こういう時にはデジカメのありがたさがよく分かります。
この写真では見えにくいですがライチョウのヒナまで鑑賞できて大満足です。
さらに少し登って振り返ると中央アルプスの山脈も見えるようになってきます!
登山口から登ること6時間、木曽駒ヶ岳の山頂に到着しました!
10年前に来たときはガッスガスで何も見えませんでしたが、本日は快晴。
ご覧の通り、山頂からの展望も素晴らしい!
山深い中にちょっとした集落がある様子が個人的には結構好きだったりします。
相も変わらず御嶽山がよく見えます!いや~素晴らしいですねえ。
山頂で少し休憩したのち、馬の背方面に進んでいきます。
景色が素晴らしいのはもちろんですが、至る所に高山植物が咲き乱れるお花畑が楽しめるのも素晴らしい!
お花を鑑賞しつつまったりと歩いていきます。
こんなに気持ちのいい道なのに人も少なくて最高です。
これから進んでいく道がはっきりと確認できるのが高山感あっていいですね。
右手には下界の様子も確認できます。山の上でも暑いので下界はかなり暑そう。
模範的な夏山の稜線。こういう道を歩きたくて山に登るんですよね。
いや、ほんと何度見ても素晴らしい景色ですわ。
濃ヶ池方面との分岐へと戻ってきました。
濃ヶ池、馬ノ背でまた違った魅力があったので、是非とも周回することをオススメします。
こちらが遭難記念碑。落雷事故現場とかもありましたけど、やっぱり天候の優れない時には慎重にならないといけないと強く感じられます。
個人的には遭難記念碑あたりから見た駒ヶ岳が最も好きです。
中央アルプス方面から見た南アルプス、大好きなんですよねえ。
登りの時は巻きましたが、せっかくなので将棋頭山にも登ってみます。
奥に見えるピークが将棋頭山。近いように見えて意外と遠い。
山頂周辺は綺麗なハイマツ帯となっていて、ハイマツ特有の甘い香りも漂ってました。
分岐から10分ぐらい歩くと将棋頭山に到着!
駒ヶ岳方面。こう見ると結構距離ありますね。
こちらは伊那市街。これからここまで下るのかと想像すると先が思いやられます。
こちらは西駒山荘と南アルプス。山の中にポツンと佇む山小屋は絵になりますねえ。
こちらはタカネツメクサ。ちいさくかわいいお花です。
今回は時間と体力の関係で見送りますが、奥に見える茶臼山にも登ってみたい。
夏道(西駒山荘経由)と冬道(将棋頭山経由)の合流地点。
森林限界越えからの景色はこれで見納め。
午後になっても雲が少なく、景色が素晴らしい一日でした。
こちらはカラマツソウ。可愛らしくて好きなお花のひとつです。
胸突ノ頭から先は急な下りとなります。
こちらは津山神社跡。跡地であるため登りの時には気づきませんでした。
胸突八丁を無事下りきって、しばらく平坦になります。
看板は立派ですが、信大ルートは通行が推奨されておりませんのでご注意を。
大樽避難小屋まで戻ってきました!
ここが落雷事故現場。こういうのを見ると、天気が悪いときには無理して山に行くことは控えようと改めて思います。
標高が下がってきて、しだいに暑くなってきます。
暑いですが、全体的に歩いやすい道なので良いペースで下ることができます。
野田場で水を補給。暑くて火照った体に冷たい水が染みわたります。
野田場以降もスイスイと下山していきます。
この辺りは水が豊富なようで、水場から水が溢れかえってました。
道は歩きやすいですが、長時間歩いてきた疲労感で足が重くなってきます。
中部電力のダム施設。暗いときに鹿よけの柵などと間違って入ってしまわないように注意。
登山開始から10時間程度で無事下山できました!
登山後記
約10年ぶりの木曽駒でしたが、天気にも恵まれ、ライチョウを見られるなどリベンジを果たすことができました!
長かったですが、桂小場からのクラシックルートはオススメのルートですね。
木曽駒っていい山だなと改めて思ったので、また別のルートで登ってみたいと思います。
それではまたっ!
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