概要
日時:2022年9月
新潟県の平ヶ岳に日帰りで登ってきました。百名山の中でも最難関の山のひとつとされている平ヶ岳は噂通りかなりのロングコースでした。
キツい山ですが、道中からの景色や池ノ岳付近の池塘はお見事!円形でなだらなか山容も美しく、満足のいく登山となりました。
登山レベル 高
危険箇所はほとんどありませんが、コースがとても長い上に途中には小屋やエスケープルートがありません。
必然的に日帰りで長時間歩くことになるため、それなりの体力が必要です。
アクセス
登山の起点は平ヶ岳登山口駐車場(鷹ノ巣)
上越自動車道「小出IC」より2時間程度かかります。
2022年8月時点では国道352号の枝折峠が通行止めになっていましたが、奥只見シルバーラインを通って銀山平まで行くことでアクセス可能でした。
公共交通機関でアクセスする場合、予約制ですが尾瀬口からバスが運行されています。詳しくは会津バスのHPをご覧ください。
ルート
平ヶ岳登山口(鷹ノ巣)から平ヶ岳山頂の往復
コースタイム 11時間20分
平ヶ岳一帯の山域は非常時を除いて基本テント泊禁止となっているため、日帰りを前提としたスケジュールで計画しましょう。
平ヶ岳登山記録
登るまで
前日の午後8時ごろに登山口に到着して車中泊していました。
登山口の駐車スペースは20台ほどですが、夜の早い時間でも結構車が停まっていました。
おはようございます。午前4時30分ごろスタートです。
登山開始
暗いなか無心でひたすら登っていきます。9月にもなると夜が明けるのも遅くなってきたことを実感しますね。
朝日が昇ってきて、燧ヶ岳の影がよく見えます!
徐々に明るくなってきます。
前坂〜下台倉山の間は開けた尾根で展望が良い。
下台倉山まではかなり登らないといけないことがよく分かります。日帰り最難関なだけあっていきなりキツいなあ。
紅葉は始まりかけといった印象でした。9月末〜10月あたりが見頃でしょうか。
下台倉山直前はかなりの急坂で息が切れます。
まだ6時ですがかなり日差しが強くて暑くなってきました。
下台倉山〜台倉山の間は少し樹林に囲まれています。日差しを遮ることができてありがたい。
開けた場所からは双耳峰の燧ヶ岳がよく見えます。
登山開始からまだ間もないですが、これだけ展望が良い山は中々ありません。
木道があるとワクワクしてきます。
右手が見える場所からは平ヶ岳の山頂らしきものが見えてきます。
まだまだかなりの距離がありそうで気が遠くなりますね。
台倉山のピークには山頂看板的なものはなくて、あったのは三角点だけでした。
台倉山からの展望も相変わらず素晴らしい!
台倉山からしばらく進むと台倉清水という場所に到着!
水場があると書かれていましたが、どこにあるのかよく分からなかったです。
台倉山より先はしばらく樹林帯に入るため展望がなくなってしまいます。
展望のない平坦で単調な道が延々と続くので精神的にけっこうキツい...。
こちらにも水場がありました(白沢清水)が、水たまりみたいな感じであまり飲みたいものではなかったです。
徐々に樹林が少なくなって明るくなってくると...
素晴らしい景色が広がります!
右手には池ノ岳へと続く別の尾根が確認できます。
少し登って振り返ります。非常に山深い山域だということがよく分かります。
左手には至仏山も見えるようになってきました。
これまであまり意識したことが無かったんですが、平ヶ岳は尾瀬とかなり近いんですよね。
景色は素晴らしいですが、直射日光をモロに受ける急な道が続いて体力がゴリゴリ削られる感じがあります。
紅葉と平ヶ岳。葉が色づいてくるのを見ると季節が秋に移り変わっていくんだなあと実感します。
右手には荒沢岳や奥只見湖なども見えてきます。素晴らしい景色!
池ノ岳まであと少しです...!!
平ヶ岳、至仏山、その間には上州武尊山も見えます!
池ノ岳直前は緩やかな木道となります。
紅葉と平ヶ岳その2。こちらは至仏山、上州武尊山も見える素晴らしいロケーションです。
池ノ岳には姫ノ池と呼ばれる池塘が広がっていました。
平ヶ岳、なんと美しい山なのでしょう。
まだ平ヶ岳の山頂には到着していないですが、この時点で既にかなり満足です。
いざ、目の前に広がる平ヶ岳の頂へと向かいます!
振り返ると荒沢岳がよく見えます。鋭く尖った山容がカッコいい。
中ノ岳や越後駒ヶ岳は見えそうで見えないのがなんとももどかしいです。
まるで青空へと続くかのような気持ちのいい木道を登っていきます。
9時ごろ山頂に到着しました!登山開始から4時間半ぐらいかかったことになります。
山頂付近は多くの人で賑わっていました。
三角点と山頂の看板はかなり素朴な感じで、百名山感が皆無でした。
山頂からも尾瀬方面の景色がお見事!
素晴らしい景色を堪能しながら、20分程度山頂で休憩しました。
帰りは来た道を引き返します。荒沢岳の左奥にギリギリ越後駒ヶ岳が見えました!
分岐まで戻ってきました。せっかくなので分岐を左側に進んで池ノ岳まで周回してみます。
途中には一応水場がありますが、この水場もただの沢みたいであまり飲みたい感じではなかったです。
こちらの道は気持ちのいい草原が広がっていて、初夏に来たら高山植物でさぞ美しいのだろうなと感じさせられます。
分岐を左に進むと玉子石方面に行くことができますが、今回は時間に余裕がないので寄り道せずに右側の池ノ岳方面に進みます。
もう9月で高山植物のシーズンは終わっていますが、それでもかなり楽しめました。
違う季節に来るとまた違った景色が広がっていそうなので、7月ぐらいにまた来てみたい。
この写真だけで十分伝わると思いますが、本当に美しい山でした。
平ヶ岳と至仏山。至仏山もずっと行こうと思ってなかなか行けてない山なんですよね。
木道を進んで行くと、景色に見とれているうちに池ノ岳に到着します。
何度見ても池塘は良いもんですね。
池ノ岳の北東側からは只見の方の山々も見えます。
この日は最高の天気で、わざわざ遠くまで来た甲斐がありました。
非常に名残惜しいですが、天上の楽園に別れを告げて下っていきます。
急な下りが続きますが、尾根からの展望は素晴らしいです。
奥只見湖のアップ。今更ですがこんな山深いところに国道が通ってるのが信じられないですね。
荒沢岳のアップ。カッコ良すぎて登ってみたくなりました。
正面には燧ヶ岳と(見切れていますが)左側には会津駒ヶ岳。
燧ヶ岳に目が行きすぎて、登山中に会津駒ヶ岳が見えることに気づきませんでした...。
この記事を書いているときに気づいてかなり後悔しています。もう一度登るしかないですね!!
下ったところから振り返って見上げるとかなり急な道。よくこんなところ登ったなあ。
次第に周囲の植物の背丈が高くなってきた。
気がついたら樹林帯に入っていました。景色が見えないのは残念ですが、日差しがかなり暑かったので、直射日光を遮ることができてありがたい。
平ヶ岳は地図には何ヶ所か水場があると記載されていますが、どの水場も飲めたもんじゃなかったので水は準備しておいた方が無難です。
平坦な道が延々と続きます。展望もないので淡々を歩くしかない。
台倉清水まで戻って来ました。結構歩いてきたように感じましたが、まだ半分も来てないと知って驚愕。
台倉清水から少し進むと視界が開けて、燧ヶ岳を拝むことができるようになります!
こんな感じで右手(東側)の景色を見ながら歩くことができます。
暑いし日焼けしそうだけど、樹林に覆われていて何も見えないより良いですね。
台倉山まで戻って来ました!
ズンズンと歩みを進めていきます。
振り返ると平ヶ岳がかなり遠くに見えるようになってきました。
これから下る尾根がとっっっても長く続いている様子が見えます。気が遠くなりますね。
左手は樹林に覆われているところが大半ですが木の間から荒沢岳が見える場所もあります。
下台倉山に到着!台倉山〜下台倉山の間が思いのほか長くて疲れました。
下台倉山からは長く続く急な尾根を下っていきます。
この辺りから見た燧ヶ岳が一番きれいな双耳峰で好きです。
少し下って、来た道を振り返ります。かなり急なのがよく分かりますね。
まだまだ長い下りは続きます。そして、奥には会津駒ヶ岳らしきものが見えていました。
さらに進んで振り返ります。かなり下ってきましたね。
そしてここがヤセ尾根。地図には危険マークがついていますが、気をつけて歩けば大丈夫です。
最後に燧ヶ岳を拝みます。長いですが、景色が良いので歩いていて楽しい道でした。
樹林帯に入ってラストスパート。
あまりにも真っ直ぐで少し不気味な道。
川を渡ります。地図に書かれている水場は多分ここ。
水場とは何なのかを考えさせられる山行になりました。
最後の方はかなり緩やかな道になります。
13時半ごろ、無事下山しました。
登山開始から9時間。とても長いルートでしたが、楽しかったのでそれほど疲れた感じはしませんでした。
登山後記
日帰り最難関百名山のひとつとして有名な平ヶ岳ですが、その評判通り中々登りごたえのある山でした。長い急登と日帰り以外の選択肢が無いことから、体力にそれなりの自信がある方以外の入山は控えましょう。
さらに、アクセスがしづらいのも難易度に拍車をかけています。下山後に運転して帰るのが登山よりもずっと疲れました。
ただ、山自体は素晴らしく、苦しい思いをして登る価値は十分にあると断言できます。初夏の高山植物、秋の紅葉など、季節によっても見られる景色がかなり変わってくるそうです。
ハードですがかなり良い山だったので数年後に季節を変えてリピートしたいものですね。
それではまたっ!
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