はじめに
山を歩いていると周りに色とりどりのお花が咲いていることがよくあります。
高山植物については「きれいだな〜」というような感想は持つものの、あまり詳しくはないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、代表的な高山植物について簡単に解説していきます。
今回は赤色〜赤紫色の花を咲かせる植物について紹介していきます。
ノアザミ
キク科 アザミ属
花期:4月~10月
分布:九州以北
海岸沿いからやや高い山の、日当たりのよい草原や道端に分布します。硬い茎を持っており、紫~ピンクの花を咲かせます。個人的には結構きれいな花だと思うのですが、毒々しくてあまり好きではないという方もいる好みの分かれる花ですね。
花後はタンポポのような綿毛を持った種をつけます。
地方変異が非常に多く、日本では100種以上あると言われていますが、現在も新種が見つかることがあるそうです。さらに種間の雑種もあるので、詳細な分類は難しいです。
鳥海山の固有種のチョウカイアザミ。色の濃い大きな花を下向きにつけるのが特徴です。
ハクサンフウロ
フウロソウ科 フウロソウ属
花期:7月~8月
分布:本州中部以北
亜高山~高山帯の広葉草原に生え、しばしば群生します。分布山域、個体数ともに多いので見たことがある方も多いのではないでしょうか。
花の色は白に近いものから濃いピンクまで濃淡に差があります。花弁は5枚で、花径は直径2.5cm~3cmと小ぶりで可愛らしいお花です。
また、9月下旬以降には美しく紅葉します。
コマクサ
ケシ科 コマクサ属
花期:7月~8月
分布:北海道、本州中部以北
高山帯で稜線付近の砂礫地に生える。花の形が馬の顔に似ているのが由来と言われています。
他の植物が生育することができない厳しい環境で孤高に美しい花を咲かせることから「高山植物の女王」と呼ばれます。
コマクサの根は、不安定な砂礫地の地下に長く広がっています。長い場合には1m以上広がることもあるそうです!
コマクサの地上部の近くの砂礫地を踏むだけで、コマクサの長い地下部分が切れ、枯れてしまいかねないので野生のコマクサにはむやみに近寄らないようにしましょう。
コオニユリ
ユリ科 ユリ属
花期:7月~9月
分布:九州以北
山地の少し湿った場所に生えます。黄赤色の大きな花を2~10輪下向きにつけます。
同属のオニユリとよく似ていますが、コオニユリはオニユリよりもひと回り小さく、むかごを作らず種子を作るのが特徴です。
また、類似のクルマユリは亜高山帯~高山帯の草地に生え、葉が車輪状に20個まで輪生するのが特徴です。
タカネナデシコ
ナデシコ科 ナデシコ属
花期:7月〜9月
分布:北海道、本州中部以北
高山帯の稜線付近の岩礫地や風衝草地に主に生育します。
エゾカワラナデシコの高山型で花は直径4〜5cmとやや大きめですが、背丈は15cm〜40cmで足もとほどの高さです。花弁は細かく切れ込み、繊細な印象を受けます。
イブキジャコウソウ
シソ科 イブキジャコウソウ属
花期:7月〜8月
分布:北海道、本州、九州
主に山地〜高山帯の礫地や崩壊地、岩場などに生え、しばしば群生する落葉矮小性低木です。
花冠の長さは5〜8mm程度と小さいですが、花付きがよく、密集して生えることが多いのでよく目立ちます。
近づくと全体的にハッカやミントのような爽やかな香りがすることが特徴です。
山に登って高山植物を楽しみましょう!
いかがだったでしょうか。高山植物は単に見ているだけでは「きれいだな〜」ぐらいの感想しか抱かないですが、よく観察してみると種類も豊富で似た花などもたくさんあってなかなか奥が深いです。
私もまだまだ知識が不足しているのでこれからも山に登りながら様々なお花を鑑賞しようと思っています。高山植物が豊富な山に登った際には高山植物の紹介なども引き続きしていきますので、登山の記事の方もご覧いただければと思います。
これまで白色系の花をつける植物、黄色系の花をつける植物、青〜青紫色の花をつける植物についても紹介をしてきました。
今回の赤〜赤紫色の花をつける植物でこのシリーズは一区切りにしようと思います。ご覧いただきありがとうございました。
また色々なお花の写真を取ることができれば第2弾を作ろうかなと思っております。
それではまたっ!
(以下、関連記事です。)
白色系の花を咲かせる高山植物の紹介
黄色系の花を咲かせる高山植物の紹介
青〜青紫色の花を咲かせる高山植物の紹介
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