概要
日時:2021年7月
日帰りで八ヶ岳の横岳〜硫黄岳に行ってきました。梅雨時期で天候が優れないことが分かっていたのでウルップソウを目的に登りました。
7月上旬の高山植物が豊富な時期に登ったこともありウルップソウだけでなくコマクサ、他にも様々な高山植物を見ることができました。
登山レベル 中
コースタイムが8時間40分と少し長く、途中には岩場や鎖場などもあるためそれなりの経験が必要です。
登山レベルは中としましたが、中の上ぐらいのイメージです。
体力や技術的に自信がない方は無理して硫黄岳まで行かなくても十分楽しめるかと思います。
アクセス
登山の起点は海ノ口自然郷横岳登山口
中央自動車道「須玉IC」より約40分です。
残念ながらバス等の公共交通機関でのアクセスはありません。
ルート
横岳登山口〜(杣添尾根)〜三叉峰〜横岳〜硫黄岳山荘〜硫黄岳〜横岳〜三叉峰〜(杣添尾根)〜横岳登山口
コースタイム 8時間40分
横岳、硫黄岳登山記録
登るまで
梅雨の時期は晴れることが少なくて山に登っても眺望があまり期待できませんよね。
一方、天気が悪くても高山植物は見ることができますし、ちょうど梅雨が1年を通して最も高山植物が豊富な時期です。
八ヶ岳は珍しい高山植物がたくさん咲いていることでも有名なので、今回はウルップソウを見ることを目的に横岳〜硫黄岳に行くこととしました。
登山開始
おはようございます!
この日は4時30分ぐらいにスタートです。 駐車場は10台程度ですが4時30時点では8台ぐらい停まっていました。
上空の様子はこんな感じです。眺望は全く期待できそうにないですね...
いざ、登っていきましょう!
別荘地の脇を登っていきます。こんないいところに別荘を建てられるぐらいの人間になりたいものですね。
八ヶ岳は森の風景自体が美しいので歩いているだけで気持ちいです。
15分ぐらい歩くと一旦林道に出ます。ここで初めて知ったんですが「杣添尾根」は「そまぞえおね」って読むんですね。そもそも杣って漢字を柚だと勘違いしていました(笑)
八ヶ岳方面が見えますが、やはり上空は曇っています。望みは薄いですが晴れてくれるといいですね...
登山口の近くには雰囲気の良い池があります。
林道から再度スタートすると本格的な登山道となります。
苔むす岩と清流。天然水のCMとかに使われそうな風景ですね。
登りの傾斜はそれほど急でもありませんし歩きやすいです。
登り始めから標高が高いため気温自体は高くはないですが湿度が高くて蒸し暑いです。
かなり登ってきて開けた場所がありましたがこのようにガスの中で何も見えません...
一面ガスなのは予想通りなので植物類を楽しむこととします。
可愛らしいキノコ。お腹が減っていたらつい食べたくなってしまいそうですね。
コメツガ。新緑の部分だけ色が違うのが何とも言えない良さがあります。
さらに登っていくと少し晴れてきました。南側赤岳方面へと続く県界尾根が見えます。
東側奥秩父方面も見えるようになってきます。
さらには浅間山方面も見ることができます。
この辺りからは高山植物が豊富になってきます。こちらはコケモモ。ピンク色で小さく可愛らしいお花です。
こちらはイワカガミ。時期的にもう見られないかと思っていましたがギリギリ見られました。
さらに標高を上げていくとまた濃いガスの中に入っていきます。
こちらはミヤマダイコンソウでしょうか。葉がテカテカしていて毛羽立っているのが特徴的でした。
イワカガミ。何度見ても可憐なお花です。
徐々に岩場の急な登りとなってきます。標高も高いので息が切れます。
赤岳方面と横岳方面に分かれる分岐(三叉峰)に到着しました。
この辺りは高山植物が豊富だったので少し散策しました。
こちらはチョウノスケソウ。ハクサンイチゲなどともよく似ていますが、小判のような葉が特徴的です。
こちらはミヤマシオガマ。タカネシオガマとよく似ていますが、7月上旬に咲いているのでおそらくミヤマシオガマだと思います。
そして本日の目的であるウルップソウも見ることができました。あまり可愛らしいという感じではないですが珍しいお花なので高山植物が好きなら一見の価値はあると思います。
低いアングルから見るとこんな感じ。気持ち悪...いや、なんでもないです。
ウルップソウも見ることができましたし、横岳方面へと向かいます。
ミヤマダイコンソウの群生。
高山植物の女王、コマクサも見ることができました。
稜線上には色とりどりのお花畑が広がっています。
ミヤマシオガマ(赤紫色)、オヤマノエンドウ(青紫色)、チョウノスケソウ(白色)の3種が多いです。
山頂の近くには岩場もあり、ハシゴを登ります。
横岳に到着!八ヶ岳の中で赤岳に次ぐ2番目の標高(2829m)です。
山頂には植物も豊富ですがあいにくの天気なので展望は全くありません...
山頂で休憩するのもほどほどにして次の硫黄岳に向かいます。
横岳から硫黄岳への下りは少々岩場があってスリルがあります。
満開のミヤマダイコンソウ
横岳から硫黄岳の間にも高山植物がたくさん咲いています。
ウルップソウも咲いていました。珍しい花ではありますが結構見ることができます。
コマクサの群生地もあります。
7月上旬のこの日はまだ咲き始めといった様子でした。7月下旬あたりの満開の時期に来れば圧巻の景色が見られそうですね。
そうこうしているうちに硫黄岳山荘に到着しました。硫黄岳山荘の周囲には高山植物探勝路があり、様々な高山植物を楽しむことができます。
クロユリ。実物は生まれて初めて見たような気がします。
硫黄岳に近づいていくにつれて風が強くなってきました。視界も悪いのでケルンやペイントを目印にして登っていきます。
硫黄岳の山頂に到着!山頂もガスっていて風も強かったです。
そんな過酷な環境でしたが、山頂に到着した見知らぬ少年は
天気は最悪だけど気持ちいい〜!!
と言っていてほっこりとしました。こんな天気でも気持ちいいと思えるのはなかなかの逸材ですね。どんな大人になるのか末恐ろしいです(笑)
風も強くて寒く、私にとっては到底気持ちいいとは言えなかったのですぐに下山することとしました。
帰りは来た道を引き返します。
帰りも高山植物を楽しみながら歩きます。
往路には気づきませんでしたが、かなり珍しい白いコマクサを見ることもできました。
写真では上手く伝わりませんが急な岩壁にもお花が咲いています。
名残惜しいですが稜線から外れて下山します。
下山する頃には少し天候が良くなって景色が見られるようになってきました。
樹林帯に入る頃には青空も広がってきました。
山の上の方はガスっているかもしれませんが、もっと遅くから登り始めた方が良かったのかも...
標高も低くなり天気も良くなってきたことで暑くなってきましたが、涼しげな清流で癒されます。
無事下山することができました。
下山したら夏のような青空が広がっていました。
山頂方面はまだガスっていそうですね。これで山頂まで青空が広がっていたら何だか悔しかったのでガスっていて良かったです(??)
登山後記
個人的にこれまで天気の良くない日には山に行くことがあまりなかったですが、高山植物を目当てに登るのであれば天気が良くなくても全く問題ないですね。
今回は目的としていたウルップソウやコマクサの他にも様々なお花を見ることができて大満足な登山でした。
八ヶ岳は高山植物が豊富で6月にはツクモグサなども見られるのでまた来年の6月に登ってみてもいいかなと思っています。
それではまたっ!
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