笊ヶ岳【南アルプス】老平から日帰り。難易度は高いが山頂からの眺望は最高!

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登山レベル高

概要

日時:2021年5月

笊ヶ岳に登ってきました。笊ヶ岳はコースタイムが15時間超え、急登、崩壊地、渡渉などもあり難易度が非常に高いことで有名です。実際に笊ヶ岳では毎年のように遭難が発生しています。

そんな厳しい笊ヶ岳ですが、南アルプス南部の山の眺望が素晴らしい山としても知られています。というか、山梨県側から南アルプス南部の山々を見ようと思うと笊ヶ岳が邪魔で見えないんですよね(笑)

長年行きたいと思っていた笊ヶ岳に登ることができて達成感もひとしおでしたが、あまりにもハードな行程すぎてもう二度と行きたくはないですね。

登山レベル 高

笊ヶ岳は間違っても初心者が足を踏み入れて良い山ではありません。

笊ヶ岳に入山する時点でかなりのレベルの登山者だと思いますが、それでも毎年のように遭難が発生しているのがこの山のヤバさを表していると思います。

コースタイム15時間超えに耐えらえる体力を持っていて、非常時にはビバークできるぐらいの装備は必須です。

アクセス

登山の起点は老平

中部横断自動車道「下部温泉早川IC」より約30分です。

また、山梨県側の老平とは別に静岡県側の椹島からも登ることが可能です。老平の標高が480mである一方、椹島の標高は1120mですので椹島から登る方が楽だという方もいます。(とはいってもどちらのルートも相当ハードなことには変わりはありませんが...)

個人的には椹島までアクセスするのが結構面倒なので老平から登る方が良いんじゃないかと思います。

ルート

老平〜広河原〜布引山〜笊ヶ岳〜布引山〜広河原〜老平

コースタイム 15時間20分

笊ヶ岳登山記録

登るまで

笊ヶ岳に登りたいと思ったのは4年前ぐらいですかね。当時は体力的に無理だろうと半ば諦めていましたが(笑)

2020年は山小屋が運営していないこともあって日帰りロングコース登山を繰り返すうちに

ケン
ケン

コースタイム12時間ぐらいだったら意外といける!

ということが実感できました。そこで2021年には本気で笊ヶ岳に登ろうと思ったわけです。

笊ヶ岳に登るには

  • 日帰りか、それとも1泊か
  • どの時期に登るのか?

というようなことを選択する必要があります。

まず「日帰りか、1泊か?」という点についてです。コースタイムが15時間超えというのは非常に長いので1泊したいのは分かりますが、テント泊装備を持って2000m以上登るのは辛いですし、そもそもちゃんとしたテント場もありません。なので「基本は日帰りで万一に備えてツェルトを持っていく」ということを選択しました。

次に登る時期についてです。登り初めの標高は480mということもあって夏では非常に暑いことが予想されます。そんな中で登ると水も大量に必要になりますし、体力の消耗が激しいです。秋になると日が短くなってくるので日が暮れてしまうリスクが高まります。また、GWぐらいまでは雪が積もっていて道に迷いやすいらしく危険が高くなります。というように適した時期が5月末〜6月ぐらいの短い期間しかないと考えました。(その時期には雨が多いのが難点ですが...)

ということで笊ヶ岳に登るタイミングを図っていたところ、5月末にちょうど天気が良さそうなタイミングがあったので笊ヶ岳に挑戦することとしました!

登山開始

午前4時にスタートしました。日の出前の薄暗い中、林道を歩いていきます。

笊ヶ岳の象徴的な謎の石門です。

布引山が見えるポイントがあります。めちゃくちゃ高い...あそこまで登らないといけないのか...と改めてこの山のヤバさを実感します。

林道を歩くこと35分、登山口に到着しました。

道中では水の流れる轟音が聞こえてきます。向こう側の山肌には滝が見えます。

謎の廃屋があります。昔はこんなところに人が住んでいたのでしょうか?

不安定な橋が連続します。

吊り橋もあります。

この吊り橋は結構長く、揺れて怖かったです。

若干の崩壊箇所をあまりにも心許ないハシゴで登ります。ハシゴが崩れないか心配でした。

道中には滝のように水が落ちてくる場所があります。滝のすぐ横を通るしかないので水しぶきがかかってびしょ濡れになります。

半分崩壊している橋を渡ります。冷静に考えると危険なのですが、これまでも危険な箇所がありすぎて危険に対する感受性がおかしくなってあまり危険だと認識できなくなってしまいます。

川が見えてきたら広河原は近いです。広河原までの道はかなり危険な箇所が沢山あっていきなり疲労感がたまります。

広河原に到着しました!気持ちのいい河原です。

水量がすごいですが、この川を渡らなくてはいけません。

大きな丸太が掛かっているので、丸太に跨って渡るのが最も安全だと思います。

広河原以降の道は急な登りとなりますが、道の状態は悪くないので歩きやすいです。単純に体力勝負って感じですね。

広河原から30分程度で山の神に到着しました。コースタイムは1時間ですが、かなり巻けるようです。

私もそこそこ良いペースで登れているとは思いますが、他の人に爆速で抜かされます。笊ヶ岳に登る人はヤバい人ばかりですね...

振り返ると七面山が見えます。去年の6月に七面山に登りましたが、暑くてかなりキツかった記憶があります。

この日は比較的涼しかったのが救いです。暑い中でこの急坂の連続を登るのは耐えられそうにありません。

富士山が見える場所もありました!

ワイヤーが散乱してきます。

「ワイヤ散乱」というポイントに到着!急登が続きますが、コースタイムの約半分の時間で進むことができていますし、体力的にも問題なさそう。

体力を温存するためには急ぎすぎずポイントごとにこまめに休憩するのが大切ですね。

急坂はまだまだ続きます。

目立った眺望はありませんが、明るい道で新緑も映えるので歩いていて気持ちがいいです。

次第に傾斜が緩やかになってきます。

桧横手山に到着!標高は2021mです。ここまで1500m程度登ってきましたがさらにあと500m以上も登らなければいけません。

檜横手山は樹林に覆われていて眺望はありませんが明るくて気持ちのいい雰囲気です。

桧横手山には一応テントを張ることができるスペースもあります。静かなテント泊を楽しみたいのならばいいロケーションかもしれません。(ここまでテントを担いで登ってくるのは嫌ですが...)

桧横手山からの登り返しはそこまでありません。ひたすら登るだけなので精神的に助かります。

道中から笊ヶ岳と小笊が見えました!ここまで3時間半ぐらい歩いてきましたが、まだまだ遠いですね〜。

徐々に傾斜は急になってきます。ここが最後の急登なので頑張って登りましょう!

標高も上がってきて息が切れます。きれいな花を見ながら休憩しつつ登っていきます。

登っていくと明るくなってきました。

振り返ると富士山も見えます。早朝に比べれば少し雲が増えてきました。山頂まで天気が持ってくれればいいですね。

そうこうしているうちに景色が良くなりそうな感じになってきました!

左手にはやっと南アルプス南部の山々が見えてきます。こういう景色が見たくて苦行のような登りを耐えてきたので晴れていて本当に良かったです。

ここから先は眺望が最高です!

左側の山が上河内岳、右手の山が聖岳です。アルプスに来たって感じがしますね。

深南部の山々も見えてきます。

登山道にはこのような看板がいくつかありましたが、もうすぐ布引山に到着するのでこの看板を見るのもこれでラストですね。

上河内岳のアップ。

布引山に到着しました!山頂からは展望はありません。

布引山にもテントを張るのに適したスペースがありました。

布引山以降は樹林帯に入るため眺望がなくなってしまいます。残念...

布引山からは結構下ってしまいます。笊ヶ岳までかなり登らなければいけませんね...

最後の登りです。キツいですが山頂からの景色を楽しむために頑張って登りましょう。

もうすぐ山頂です...!

山頂に到着しました!!山頂まで5時間近くかかったので達成感がひとしおです。

笊ヶ岳は山梨百名山にも選ばれています。山梨百名山の中でも難度が高い山としてこの笊ヶ岳と笹山がツートップとして挙げられています。

小笊の奥に富士山が見えるというのが有名ですが、富士山が雲に隠れる前にギリギリ見ることができました。

山頂からは荒川岳、赤石岳、聖岳が一望できます。この風景は笊ヶ岳以外では見られないでしょう。

この景色を見るためにわざわざ笊ヶ岳に登ったと言っても過言ではないので晴れてくれて本当に良かったです。

北側から順に荒川岳

赤石岳

聖岳

さらに上河内岳。上河内岳は200名山ですが、荒川岳・赤石岳・聖岳と比べても遜色のない山のように思えます。

荒川岳・赤石岳・聖岳にはまだ足を踏み入れたことはありませんが、いつか登ってみたいと強く思います。

深南部の山々もよく見えます。ゴツゴツしている山が大無間山ですね。大無間山の奥に見えている笠状の山が黒法師岳でしょうか。

深南部の山はこれといった特徴があまりないのでわかりづらいですね...個人的に深南部の山域は好きですが...!!

北側に目をやると塩見岳が見えます。蝙蝠尾根が非常に長いことがよく分かります。

北岳をはじめとした白峰三山もよく見えます。この角度から北岳を見ることは滅多にないので新鮮です。

山頂からの展望は最高の一言で、ここまで苦労して登ってきた甲斐がありました。

子笊まで往復することも可能ですが、後悔しそうなのでやめときました。

笊ヶ岳からの下山は来た道を引き返します。

布引山を過ぎるとこの景色も見納めとなります。

この後はひたすら急坂を下ります。足がプルプルしてきます。

めっちゃ省略しますが、広河原に到着しました。標高が低くなってくると暑くなってくるので広河原の風景は気持ちがいいです。

広河原まで戻って来るまでに足の疲労がかなり蓄積してしまいました。広河原〜登山口までの区間は道の状態が悪いので最後まで気を抜かずに歩きましょう。

高所恐怖症の私にとってはかなり怖い吊り橋。

吊り橋から見た川。なかなかの高度感です。

七面山が見えてきます。七面山も結構デカい山ですね。

無事下山できました。無事に下山することができて本当に良かったです。

石門を通過します。

駐車場まで戻ってくるのに約10時間かかりました。

登山後記

笊ヶ岳は想像していた通り非常にハードな行程でしたが、山頂からの景色は格別でした。これだけハードな行程ののちにガスっていて眺望が全くないとなると最悪なので天気が良いと確信できるタイミングで登ることを強くおすすめします。

笊ヶ岳に登ったことでまた一つレベルアップできたような気がします。体力勝負の急登ロングコースに挑戦してみたいですね。次の目標は剱岳早月尾根です!

それではまたっ!

(参考)

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